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戦国時代・上杉家の執政・直江兼続の偉業を紹介する専門サイトです。主に米沢での偉業を中心にご紹介します。

出羽亀岡文殊堂に奉納された直江兼続の漢詩「螢入簾」は、部屋に入り込んだ蛍の輝きを詠んだものです。

直江兼続の作品7首「螢入簾」

螢入簾
ほたる、すだれにいる
蛍 簾に入る
涼螢度竹影横斜
りょうけい ちくえいをわたって おうしゃす
涼蛍 竹影を度って 横斜す
忽入疎簾夜色加
たちまち それんにはいって   やしょくくわわる
忽ち 疎簾に入って 夜色加わる
応是客星侵帝座
まさにこれ   きゃくせいのていざをおかすもの
応に是れ 客星の帝座を侵すもの
丹良一点映窓紗
たんりょういってん そうさにうつす
丹良一点 窓紗に映す
 真っ暗な闇のなかの鬱蒼とした竹林から、青白く金色に光る涼しげな一匹の蛍が鋭角を切って飛んできて、たちまち目のあらい簾をサッと抜けて部屋に入り込んできた。
入り込んできた目の前の蛍がさらに光り輝き、闇夜が際立ってきた。突然に唐突に入り込んできた流れるような輝きを見ていると、「客星、帝座を侵す」がごとくで、卑賤の徒が天子の座を狙おうとしているかのようだ。真っ暗な夜のとばりのなかで蛍の青白く金色の光の一点だけが窓に垂れた薄い布を映し出しており、実に幻想的だ。

 「客星、帝座を侵す」は中国の故事で、客星は彗星のようで定位置をもたないよそ者の星が天子の位である帝座を侵すほど唐突でびっくりする様子。丹良は蛍の異称。

 真っ暗な闇と、青白く金色に斜めに鋭く光り輝く対比はさらに真っ暗な夜を際立たせて静寂感をましている。
※解釈文・「花に背いて帰る」(野村研三著 米沢御堀端史蹟保存会発行)より転用させていただきました。
※参考資料・「直江兼続伝」(渡部恵吉・小野栄・遠藤綺一郎共著 酸漿出版発行)